あらすじ
豊作をもたらす少年 ー 豊喜
人々は、この子を巡って争い、その度に数多の人々が死んでいった。
豊喜は、小さいながらも自身の存在が“害”であると認識し、救いを求めた。
“救いとは何か”と考え続けた豊喜は、“死”こそが自身を救うためのたった一つの手段であるという結論に達した。
満月の夜、月光に照らされながら、豊喜は太刀で自身の首を切ろうとしたが、使用人の和道に阻止される。
和道は、豊喜の心が病み、精神が崩壊していることを察した。長年、豊喜と慣れ親しんできたので、豊喜は和道にとって我が子同然であり、豊喜の悲しげな顔と姿を見た和道は、盗み出すように豊喜を屋敷から連れ出し、遠くへ、遠くへと逃げたのだった。