あらすじ
景司は真面目だけが取り柄の青年だった。地元の運送会社へ就職した彼は、朝四時半出勤、深夜帰宅、休日出勤が当たり前の過酷な労働環境の中で、「努力はいつか報われる」と信じて働き続ける。しかし十年後、会社から返ってきたのは感謝ではなく退職勧告だった。青春も健康も失い、自分の価値すら見失った景司だったが、転職先で初めて「普通に働く」という体験をする。さらに副業で手伝った農家で、捨てられるはずだった曲がった野菜の販売に挑戦。人とのつながりや地域との交流を通じて、自分自身の人生を取り戻していく。やがてその活動は地域活性化の成功事例として注目され、景司は県の表彰を受けるまでになる。報われなかった努力、失われた青春、理不尽な現実。それでも人生は終わらない。遠回りの先にある本当の幸せを描いた、笑いと涙の再生物語である。