あらすじ
迷宮は、宝を眠らせる場所ではない。
人の未練、記憶、帰りたいという声を食い、死者の声で次の人間を呼ぶ怪異の穴だ。
ノラ・ヴェイルは、町外れの小屋を拠点にする救助屋。
正式な救助組織には属さず、迷宮に残された者の捜索、応急処置、身元品の回収を請け負っている。
彼女が潜るのは、迷宮を壊すためではない。
最初はいつも、誰かを助けるためだ。
けれど、迷宮が人の声を使い、次の犠牲者を呼び始めた時、ノラは核を奪う。
それは救いであり、違法な後始末でもある。
閉じた穴の向こうには、助かった命と、助けられなかった声が残る。
死者の声で、次を呼ばせない。
これは、救助屋ノラが迷宮を閉じる物語。