あらすじ
極道一家の一人娘、社虎子には、五歳の頃から大好きな人がいる。
許婚で幼馴染の鷲住扇。
自分より五十センチも背が高くて、寡黙で、意地悪で、何を考えているのか分からない男だ。
虎子は十年以上、手紙を書いて、会いに行って、何度も「好きやで」と伝え続けてきた。
それなのに――
「いつになったらうちと付き合ってくれるん?」
「さぁな」
扇は一度も「好き」と言ってくれない。
許婚なのに恋人じゃない。
誰よりも近いのに、一番欲しい言葉だけがもらえない。
これは、一途すぎる虎子と、彼女を傍に置きながら想いを口にしない扇の、十数年越しの恋物語。