あらすじ
不動産会社に勤める25歳の青年、神崎悠真。
幽霊も怪異も信じていない、ごく普通の社会人だった。
ある日、事故現場で一人の女性と出会う。
その女性の名は、東雲夜月。
絶世の美女にして霊媒師。
夜月は悠真を見るなり、不思議そうな表情でこう言った。
「あなた、本当に何も見えていないの?」
その出会いをきっかけに、悠真は夜月と共に怪異事件へ関わることになる。
事故物件に現れる少女の霊。
深夜の廃病院を彷徨う看護師。
神社に取り憑く怨霊。
行方不明者が続出する心霊スポット。
人々を苦しめる数々の怪異。
しかし夜月は、どんな霊にもまず耳を傾ける。
「悪霊なんていない。」
「苦しんでいる魂がいるだけ。」
その言葉の通り、二人は怪異を倒すのではなく、魂に残された想いや未練と向き合いながら人々を救っていく。
やがて二人は、全国各地で起きる怪異事件の裏に存在する謎の組織と、その巨大な計画の存在を知る。
だが事件を追う中で、悠真の周囲では奇妙な出来事が起き始める。
怪異たちが悠真を見て怯える。
敵対する術師たちが悠真を見て驚く。
そして夜月ですら気付いていない、ある違和感。
なぜ自分なのか。
なぜ自分の周りでこんなことが起きるのか。
知らないはずの過去。
忘れているはずの記憶。
そして、自分自身に隠された真実。
これは、人と怪異の想いを繋ぐ霊媒師と、その隣を歩く青年の物語。
そして――
誰よりも優しかった一人の青年が、自らの運命と向き合う物語である。