あらすじ
丹念に整えたばかりの、東京の高級マンション。
未来の姑とその親戚たちは、私の留守中に勝手に押し入り、そこを無残に踏み荒らしていた。
出張から戻って玄関を開けた瞬間、買ったばかりの大塚家具のソファには子どもの泥足と排泄物。
壁一面には水性ペンの落書き。
大切に集めてきたシャネルのバッグも、カルティエのジュエリーも、床に投げ捨てられていた。
寝室から出てきた見知らぬ女は、私のシルクのパジャマを着たまま、私を見下ろして鼻で笑った。
「この女、誰?人の家に勝手に入ってきて、挨拶もできないなんて。育ちが知れるわね」
未来の姑、佐藤琴江は私の腕を乱暴につかみ、唾を飛ばしながら叫んだ。
「この人は健太の従兄の奥さんよ!初対面なんだから、うちの田舎のしきたりでは、弟嫁になる人間が甥っ子に十万円のご祝儀を渡すものなの。さっさと出しなさい!」
トイレから出てきた婚約者、佐藤健太は、まるで当然のような顔で言った。
「ちょうど親戚も来てるんだ。今日はちゃんと振る舞って、俺の顔を立ててくれよ」
怒りで震えながら、私はスマホを取り出して警察に通報しようとした。
けれど、二人の男は嘲笑いながら、私を私自身が買った部屋から力ずくで廊下へ放り出した。