あらすじ

ここではない場所。 いまではない時代。 絶海の孤島に、その図書館はある。 訪れる者はほとんどおらず、渡る術を知る者も少ない。 ただ、劣化防止の魔法が幾重にも施された『本』だけが眠る。 ここは、ある種の墓所だ。 滅びた国。 絶えた民族。 既に使う者のいない言語。 亡霊のような書物が、お前を待っている。 ここに居るならば、お前も招かれたのだろう。 この場所に。 ―― R. L. A あなたが気が付いた時には、この『図書館』にいた。 あなたがここを『図書館』だと判断したのは、すり鉢状の空間一面に、書架が立ち並んでいたからだ。 天井高くまで伸びた壁には、隙間なく書架が埋め込まれている。 すり鉢の底。 書見台には、『R. L. A』なる人物の署名付きメモが残されているのみ。 その『署名』自体、あなたは知らない文字だった。 しかし、『意味』はわかる。 それも、正確に。 それは確信だった。 あなたの呼吸。 衣擦れ。 それ以外、耳が痛くなるような静寂に包まれている。 あなたは、まず現状を知るために、目についた本に手を伸ばした。 ※この短編集は、 過去に個人サイトや同人誌で公開していた物語を、加筆訂正した再録です。

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小説を読もう2026/06/10
  • 現在の作品とある図書館の読者に捧ぐ短編集