あらすじ
人々の負の感情が「罪」として具現化し、実体化する街。
その街の地下深く、ひとつの実験体が作られた。
コードネーム「S―07(エスナ)」。
感情も、痛覚も、記憶も持たない彼に与えられた唯一の役割は、街の影を喰らう「器」となること。
ある日、彼の前に「人格を持った七つの大罪」が現れる。
それは、かつて実験の過程でエスナからこぼれ落ちた「欠けた心の部品(カケラ)」だった。
罪を喰らい、己を取り戻すたびに、エスナは「人間らしい感情」を獲得していく。
しかし、器が満ちる(完成する)ことは、同時に「人間ではない怪物」へ至ることを意味していた。
一方、影の痛みを自らの胸に感じる「光の少女」リオラは、傷つきながらも影を喰らい続けるエスナを放っておけず、彼に近づこうとする。
だが、光と影である二人は、近づけば近づくほど、互いの核を壊し合う運命にあった。
欠けた己を取り戻すほどに「人間」を失っていく残酷な逆説的ダークファンタジー。