あらすじ
「お前のような冷酷で血の通わない『氷の人形』は、我が公爵家にもこの国にも不要だ」
実家の公爵家と、婚約者である第一王子から同時に見捨てられ、国境へと追放されたエレナ。
彼らが全き愛を注ぐのは、病弱で可憐な、エレナのものを何でも欲しがる義妹だった。
エレナがこれまで、指先を血に染めながら国の結界を「糸」のように紡ぎ、魔力を捧げてきたことなど、彼らは知りもしない。ドレスの一着すら与えられず、ただ義務の檻に閉じ込められていたエレナ。
「分かりました。私の糸は、すべて手放します」
エレナはただ静かに、最初で最後の美しい微笑みを残してその地を去った。
雪の降る国境で生き絶えかけた彼女を救ったのは、隣国の「冷徹な太陽」と呼ばれる美しき皇帝・ルカ。
「やっと見つけた、我が国の凍てついた大地を癒やす、本物の光を」
隣国で至高の溺愛を受け、本来の美しさと規格外の魔力を開花させていくエレナ。
一方、彼女の「魔力の糸」を失った祖国は、恐るべき速度で結界が解け、崩壊を始めていた。今さら「戻ってきてくれ!」と泣きつく元婚約者と実家。だが、至高の光を纏ったエレナの瞳に映るのは、怒りでも恨みでもなく、ただの「通り過ぎる塵」を見るような、完全な無関心だった――。
無能な裏切り者たちが勝手に自滅していく、大逆転スカッとハッピーエンド!