あらすじ
中学時代に「美容師として人を笑顔にする夢」を見た絢葉(あやは)は、気付けば42年の歳月を経て、生粋の「スナックのママ」になっていた。しかし、長年の常連客であり美容業界のプロでもある五右衛門に背中を押され、50代にして一念発起し美容学校の通信課程へ入学する。
慣れない若者たちに囲まれ、最初の実技(ワインディング)で自分の不甲斐なさに挫折しかけた絢葉だったが、五右衛門の熱い励ましの言葉(言霊)をきっかけに、不思議な時空の旅へと引き込まれていく。
タイムスリップした先は江戸時代。便利な道具が何もない世界で、絢葉は髪結いとしての「職人の指先の感覚」と、女性たちを笑顔にする喜びを体得する。さらに未来の鏡の力で飛ばされた未来の世界では、完璧な自動カットロボット「R1号」と日本髪結い対決をすることに。機械の精密さに対し、絢葉は「人と人とのぬくもりや会話」を通じてモデルの魅力を引き出す髪型を完成させ、テクノロジーを圧倒する。
激しいバトルの判定が下る瞬間、すべてを包み込むような謎の声によって、絢葉は現代のベッドの上へと引き戻される。夢幻のような時空の旅を終えた彼女の胸には、過去と未来で掴んだ「本物の美容師の心」が、確かな覚悟(楔)として深く刻まれるのだった。