あらすじ
王国騎士団の騎士レオナルド・オルディナには困った悩みがあった。
それは母から押し寄せる大量の縁談である。
結婚する気のないレオナルドは断り続けていたが、ある日ついに追い詰められてしまう。
そこで彼が頼ったのは、事情があって自宅で保護していた伯爵令嬢セレスティア・グランベルだった。
「婚約者役をお願いできませんか」
冤罪によって父が囚われ、居場所を失った少女。
結婚を避けたい騎士。
こうして二人の“偽の婚約”が始まる。
最初はただの建前だった。
けれど同じ屋敷で暮らし、食卓を囲み、苦しい時間を支え合ううちに、二人にとってその関係は少しずつ変わっていく。
やがて父の無実が証明され、伯爵家は再興される。
全てが元に戻るはずだった。
――それなのに。
気付けば二人とも、相手のいない日常を想像できなくなっていた。
これは、不器用な騎士と傷ついた令嬢が、「帰りたい場所」を見つけるまでの物語。