あらすじ

恋とか、彼氏とか。 中学生になったら、そういうことも少しは起きるのかもしれないと思っていた。 けれど、私にはまだよく分からなかった。 本当は、ひとりだけ気になる人がいる。 同じクラスの黒瀬蓮くん。 背が高くて、目つきが悪くて、無口で、少し怖い。 女子に興味なんてなさそうで、私のことなんて見ていないと思っていた。 それなのに、文化祭委員になってから、私は少しずつ知ってしまう。 誰もやりたがらないことを黙って引き受けること。 雨の日に、何も言わず傘をこちらへ傾けてくれること。 私が何気なく言った好きな色を、ちゃんと覚えていてくれたこと。 怖そうに見える彼は、本当は不器用で、まじめで、やさしい人だった。 文化祭が終われば、もう話す理由もなくなる。 そう思っていた雨の日。 黒瀬くんは私にスマホを出させて、二人だけのトークルームを作った。 「……おれ、LINEも苦手だから」 そう言った彼の手は、少し震えていた。 これは、好きと言えない私と、うまく近づけない彼の、淡い恋の話。

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小説を読もう2026/06/10
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