あらすじ

三人の勇者として異世界に召喚された篠森澪人は、世界を救う役目を辞退した。 望んだのは、名誉でも力でもなく、家賃なしで雨風をしのげる寝床。 補償として与えられたのは、蔦と苔に覆われた古い廃城だった。 壁はある。井戸もある。屋根も一部ある。 王宮に戻れば勇者の話を蒸し返され、町に出ても金も身分もない。 ならば、この廃城をどうにか家にするしかない。 そう思って物件確認を始めた澪人だったが、地下の棺から声がする。 湯を沸かせ、と。 現れたのは、百年の眠りから目覚めた吸血鬼伯爵ヴァルドラク。 この城の元主を名乗る彼は、澪人を不法侵入者扱いし、当然のように下僕認定してくる。 ただし伯爵は、目覚めたばかりで関節が動かず、棺から出るにも支えが必要だった。 威厳はある。 顔もいい。 ただし服は黴びていて、足はつる。 澪人は伯爵の世話をしているつもりはない。 この城に住むため、事故物件を管理しているだけだ。 井戸水を汲み、湯を沸かし、布を洗い、浴場を掃除し、食料を探す。 世界を救う予定はない。 けれど、寝床と朝食と風呂くらいは救いたい。 勇者を辞退した主人公が、廃城を少しずつ家にしていく異世界スローライフ。

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カクヨム
カクヨム2026/06/09
  • 現在の作品勇者を辞退して廃城暮らし。地下の吸血鬼伯爵に下僕認定されました