あらすじ
王太子アルベルトの婚約者として、未来の王太子妃になることが決まっていた公爵令嬢ルチアーナ。
けれど彼女は、王妃の座にも、甘い恋にも、実はあまり興味がなかった。
本と紅茶を愛し、できることなら静かに自由に暮らしたい――それが彼女の本音だった。
そんなある日、アルベルトから告げられる。
「私には、本当に愛する女性がいる。だが、国のために君との結婚は破棄できない。形だけの夫婦になってくれないか」
普通の令嬢なら泣き崩れる場面。
しかしルチアーナは思った。
――それ、むしろ最高ではありませんこと?
こうして始まった、愛のない“白い結婚”。
しかも夫の恋人リリアは、思いのほか素直で可愛らしい女性で、なぜかルチアーナと親友のような関係になっていく。
夫は恋人に夢中。
妻は自由を満喫。
恋人とは仲良くお茶会。
すべて丸く収まる……はずだった。
ところが、自由気ままに振る舞うルチアーナの強さと優しさに、アルベルトの心が少しずつ揺れ始める。
今さら愛されても困ります。
わたくし、もう白い結婚生活を楽しむ気満々でしたのに。
夫の恋人と友情を育み、自分の居場所を見つけていく王太子妃。
そして、遅すぎる後悔を抱えた王太子。
白い結婚から始まる、少し不思議で、少し甘くて、けれど自由だけは手放さない王宮恋愛譚。