あらすじ
六月。梅雨の住宅街で撮った一枚の紫陽花の写真。
そこには、青白い女の顔がはっきりと写っていた。
興奮した私は、軽い気持ちでAIに画像を解析させる。
返ってきた名前は――「アヤコ」。
その瞬間から、私の身体はおかしくなり始める。
土を掘りたくなる衝動。
耳元で響く女の声。
そして、花壇の土の中で触れた、“人間の指”。
警察、精神病院、拘束、自宅療養。
だが終わりではなかった。
連れ帰ってしまったのだ。
雨の中に埋められた女を。
今も夜になると、アヤコは枕元に現れる。
そして私は、彼女が殺される瞬間を、何度も見せられ続けている――。
梅雨の湿気と狂気がじわじわ侵食する、純文学風味の心霊怪談。