あらすじ
王城の北棟、物置の隣。
そこに「王立魔物相談窓口」という、誰も知らない窓口があります。
職員は、魔物の声が聞こえる受付係・リゼただひとり。人間のお客は開設以来ゼロ。あだ名は「国でいちばんの無駄」。
ある日、王都に古竜が襲来。
「話が通じるんだろう? なら行って話してこい」
意地悪な財務大臣に押しつけられ、リゼは受付板ひとつで竜の前へ。
けれど聞こえてきたのは怒りの咆哮ではなく――『かえして』という、泣き声でした。
竜の苦情を受理して、回答期限は三営業日。
さらにその夜、窓口の呼び鈴を鳴らした次のお客様は……まさかの、魔王様!?
「苦情を言いに来た。――戦争の前に、手続きを踏もうと思ってな」
物置の隣の小さな窓口が、実は三百年前の平和条約そのものだったなんて、誰も知らなかったのです。
書類一枚と受理印ひとつで、国の危機と大臣の悪事をまるっとひっくり返す、地味な受付係の三日間。
意地悪な大臣にはきっちり天罰を。泣いている竜には夕陽を。
そして毎晩通ってくる真顔の魔王様が最後に出した受付票、区分はなんと『求婚』。
※ざまぁはしっかり、後味はあまあま。
読み切り短編・ハッピーエンド保証です。