あらすじ
大学受験の手応えが掴めず、失意のまま帰路についた僕は、母の生まれ故郷の駅で途中下車した。
あてもなく歩く坂道で、強風に飛ばされたニット帽をキャッチする。
持ち主は、風に乗るように軽やかに駆けてきた、どこか神秘的な雰囲気を纏う美少女だった。
「大切な帽子なんです。助かりました」
名前も知らぬまま、別れたはずだった。しかし、この出会いが、受験勉強ばかりで彩りのなかった僕の退屈な日常を、鮮やかに塗り替えていくことになる――。
少し不器用な僕と、風のような彼女の、甘く切ないボーイ・ミーツ・ガール。