あらすじ
過労の末に異世界へ転生した青年ノア。彼が授かったのは、小さな火を点けるだけの底辺職【灯火】スキルだった。
王都の地下で結界維持のためにこき使われていたノアは、プライドの高い宮廷魔術師長から「無能」と見下され、理不尽に追放されてしまう。
しかし、ノアはそれを「待ちに待った退職」と喜び、辺境の村で念願のスローライフをスタートさせる。
実は、ノアの生み出す「ただの火」は、あらゆる瘴気を浄化し、最強の結界を張り、植物を急成長させる規格外の神の奇跡だった!
彼の温かい火に引き寄せられ、伝説の聖獣である銀狼が相棒になり、素朴で可愛い村娘エルナからは手料理で溺愛される日々に。
一方、ノアを追い出した王都は、結界とインフラを維持できなくなり、魔物の侵入と極寒の気候によって自滅の道を辿っていく。
今さら王都の使者が「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、ノアは絶対に断る。
「俺はもう、自分の大切な人たちのためにしか火を灯さない」
最強の火を手にした青年の、心温まる辺境スローライフが開幕!
【登場人物紹介】
◇ノア
本作の主人公。元は日本の過酷な環境で働く会社員だったが、過労の末に異世界へ転生した。授かったスキルは小さな火を点けるだけの【灯火】。王都の地下で結界維持の要として働かされていたが、自身の価値に気づかない上司によって追放される。本人はそれを「待ちに待った退職」と受け取り、辺境で念願のスローライフを始める。実は彼の灯す火は、あらゆる瘴気を浄化し強固な結界を張る規格外の力を持っているが、本人はまったく気づいていない。年齢は20代前半。
◇ルー
辺境の森の奥深くに住まう伝説の聖獣、銀狼。本来は人間に懐くことのない孤高の存在だが、ノアの灯す純粋で温かな火に引き寄せられ、彼のもとへやってきた。ノアからはただの少し大きな犬だと思われており、ブラッシングされるのが大好き。ノアに危害を加えようとする者には容赦なく牙を剥くが、普段は彼の膝の上で丸くなっている。
◇エルナ
ノアが移り住んだ辺境の村に暮らす少女。年齢は18歳。素朴で心優しく、村にやってきたノアを温かく迎え入れる。料理が得意で、ノアの持ってきた異世界の知識に興味津々。ノアが作り出す安全で温かい空間に心から安らぎを感じており、彼のお世話を焼くのが日課になっている。
◇レオン
王都の宮廷魔術師長。プライドが高く、見栄えの良い派手な魔法を至高とする男。ノアの地味な【灯火】スキルを見下し、「結界の魔力効率を下げるだけの不要な存在」と決めつけて追放を言い渡した。ノアがいなくなったことで王都のインフラが完全に自滅し、その責任を問われて転落していくことになる。