あらすじ

「くふふ。悪いこと、してませんよね?」 小生田富雄、四十二歳。 ブラック企業に勤める平社員。 黒シャツ、薄いサングラス、低い声。 そして、困った時に漏れる不気味な笑い声。 「くふふ」 本人はただの善良なおじさんである。 しかし周囲からは、どう見ても裏社会の人間にしか見えない。 ある日、富雄は子供の頃からできなかった指パッチンに成功する。 ――パチン。 その音を聞いたパワハラ上司は硬直し、虚ろな目で会社の不正を語り始めた。 残業代未払い。 数値改ざん。 下請けいじめ。 備品の私的流用。 どうやら富雄は、催眠術師として覚醒してしまったらしい。 だが本人に、悪人を支配する気はない。 正義の味方を名乗る気もない。 ただ、目の前で困っている人を放っておけないだけ。 見た目は黒幕。 中身は善人。 能力は催眠。 これは、怪しすぎる催眠おじさんが、本人の自覚がないまま悪人たちを震え上がらせ、世の中を少しずつ良くしていく物語である。

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カクヨム
カクヨム2026/07/04
  • 現在の作品怪しすぎる善人おじさん、催眠術師になる