あらすじ
2033年。
現代の世界情勢はより悪化していた。
中南米における麻薬戦争、多発する欧州におけるドイツの超国家主義暴力集団のテロ事件、ロシアによるウクライナ侵攻とロシア内戦の危機、中東のイスラム過激派テロ組織の活発化、2026年のイスラエルとアメリカ合衆国によるイラン攻撃、そしてそれを発端として発生した2028年イラン内戦、そして東アジアの情勢の緊張化。
1945年10月24日の誓いから、実に88年経過しているにも関わらず、世界は、人類の思うあの“平和”から程遠い様相となってしまっていたのだ。
———2031年に退役したレイノルド・マーシーは、米陸軍の特殊部隊要員として、CIAの特別任務部隊の部隊長として、10年間の間で数々の作戦を成功させ、1000人以上の人間を殺害してきた、まさに“伝説の男”だった。
だが彼は親友の死をキッカケに心を闇へ堕とし、生きる希望も意味もなくし、そして廃人となって、テキサス州のオースティンで孤独な浮浪者として生活していた。
退役した際に、通常のかなり倍の額の軍人退役年金は口座に入っているにも関わらず、一切手につけずに、だ。
そんなある日、彼の元に若い女子がやってきた。その女子はレイノルドの経験を全て聞いた。
戦争で自身が多くの人間を殺害したことに何の意味があったのか?
友人をなぜ救えなかったのか?
戦う意味なぞあったのか?
全てを———全てを暴露した。
するとその女子は、小さな紙切れをレイノルズに渡した。そして彼女は「興味があれば」とだけ言い残し、この場を静かに去ってしまう。