あらすじ
灯火管制の夜、リンは相棒の飛竜ヴェルと空を飛ぶ。運ぶのは、薬、産婆、逃げ場を失った人々。鉄道も船も止まった戦時下で、誰も引き受けない荷だけが、黒翼便の扉を叩く。
かつて空の戦士と呼ばれた竜乗りは、今では忌まれ、蔑まれる存在だった。
それでもリンは信じている。
「竜にしかできないことが、まだこの世界にはある」
だが、敗色濃い軍は最後の竜たちに目をつける。竜を兵器として徴発し、騎手ごと敵艦へ突っ込ませる“片道便”のために。
失われていく空の中で、リンとヴェルは戦場へ翔け上がる。
これは、蔑まれた竜乗りの運び屋が、最後のドラゴンライダーになるまでの物語。