あらすじ
婚約者とのドライブ中、英子は突然こう告げた。
「私ね、人を殺したことがあるの……お母さんを」
衝撃的な告白に動揺する治。しかし彼女が語り始めたのは、五年前、夏山で遭遇した未曾有の雹災害だった。
積乱雲の下で母を失って以来、「自分が母を殺した」と罪悪感に囚われ続ける英子。激しい雷雨と雹は、封じ込めていた記憶を容赦なく呼び覚まし、彼女を再びあの日へと引き戻していく。
過去は変えられない。それでも、大切な人の心を救うことはできるのだろうか。
自然災害が刻んだ心の傷と、生き残った者が背負う罪、そして寄り添う愛を描く、切なくも温かなヒューマンドラマ。