あらすじ
前世の倉田巧は、積み上げては奪われる人生だった。九年続けた剣道は事故で消え、営業の数字は期末ごとにゼロに戻り、体は歳に削られていく。三十五歳、駅の階段で心臓が止まる間際、彼はただ一つを願った――「鍛えたものが、二度と消えない人生を」。
剣と魔法の世界の農家の三男ルドとして、彼は生まれ直す。授かったのは、一度身につけたものが衰えない・忘れない・後戻りしない体質。ただし才能は人並み以下で、伸びは人の倍遅い。近道も覚醒もない。
毎朝の素振り、数えた負けの数、減らない一段。元銀札の老剣士に基礎を千日叩き込まれた少年は、木札の冒険者として、地道な鍛錬だけを武器に頂を目指す。
これは、才能ではなく「毎日」で強くなる男の物語。