あらすじ

つまらない、面白くない。すべてが電子化され、情熱も失われた二千年後の未来。 電子図書館の司書である「僕」は、禁書とされた謎の自動計算機理論に導かれ、大正浪漫の薫り漂う遠い過去の世界へとタイムスリップする。 ​そこで出会ったのは、亡き主人の遺影を見つめる美しき自動人形(オートマタ)の少女――ヱツ。 彼女の記憶の歯車には、ある絶対的な電子命令が刻まれていた。 ​――『主人の遺した原稿を、すべて焼却セヨ』。 ​人類の至宝たる文学が、本物の傑作たちが灰にされていくのを、黙って見ていることなんてできるわけがない。原稿を奪おうとヱツの手首を掴んだ瞬間、タイムマシーンの回路が激しい電子音と共に焼き切れた。 【エラー11152:時空座標固定喪失】。 ​未来へ帰る術を失った司書の青年と、孤独を書き殴り、すべてを灰にしようとする機巧の恋人。 過去の底にひっそりと残された、狂おしいほど切ない、男と自動人形の愛の記憶。

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カクヨム
カクヨム2026/07/04
  • 現在の作品からくりの恋人ーー遺言は『すべてを焼却セヨ』