あらすじ

夏休み。 高校生の天音ルカたちは、山奥へキャンプに訪れていた。 突然の豪雨により帰れなくなった一行は、霧の中で巨大な旅館――『黒鐘館』を見つける。 古びているのに、なぜか電気だけは点いている奇妙な旅館。 女将は静かに告げた。 『夜は、お静かに』 その夜、午前0時。 突然、旅館から“音”が消えた。 声も、 足音も、 風の音も聞こえない。 そして同時に、 旅館中の照明が不気味に点滅し始める。 ――何かが来る。 黒鐘館には、“夜行”と呼ばれる怪物が潜んでいた。 音を立てた者を追い、 闇の中へ引きずり込む異形たち。 しかも、夜が始まると朝は来ない。 止まった時計。 終わらない暗闇。 出口のない旅館。 極限の恐怖の中、 生まれつき耳の聞こえない少年・ルカだけが冷静だった。 彼は“静寂”を知っていた。 そして、 声を使わず意思を伝える“手話”こそが、生き残る鍵になる。 一方、 野生的な感覚を持つ東雲ガクは、 人間ではない“気配”を察知し始める。 さらに、 旅館には数ヶ月前に失踪した陰陽師の弟子・九条綾人の痕跡が残されていた。 彼が遺した手話の暗号。 昔、この旅館で起きた火災事故。 避難を求めても、 誰にも伝わらなかった“声なき叫び”。 その絶望が、 無音の夜を生み出していた――。 これは、 “音を失った夜”を生き抜く、 静寂のホラー。 そして、 「伝える方法は、声だけじゃない」 ことを描く、 無音の怪異録。

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カクヨム
カクヨム2026/07/03
  • 現在の作品無音夜行