あらすじ
現代日本にダンジョンが定着して十二年。
探索者たちは配信で人気を集め、神回、救出劇、スポンサー案件が日々話題になる時代。
しかし、派手な戦闘が終わった後の現場には、配信に映らなかった血痕、魔物灰、踏み跡、壊れた機材が残されている。
神谷透は、探索者になれなかった男。
ミナト環境ダンジョンサービスに所属する、ただのダンジョン清掃員だった。
ある日、人気探索者・竜胆アキラの救出配信の後始末に入った透は、配信映像と現場痕跡が一致していないことに気づく。
さらに、現場に残されていた壊れた配信ドローンに触れたことで、透は壊れスキル《ログリペア》を発現させる。
それは、床の傷、血痕、魔物灰、壊れた機材から、現場に残された断片を読み取る力。
ただし、その力だけでは法的証拠にならない。
透は、正直すぎて大手事務所を干された配信者・白瀬澪、事故調査補助員の旧友・佐伯蓮、口は悪いが現場を守る班長・梶原司とともに、配信に映らない真実を拾い集めていく。
神配信の裏側で、誰が嘘をついたのか。
誰が見捨てられたのか。
そして三年前、透の妹を傷つけた事故の真相とは。
これは、戦場の最後に入る清掃員が、誰も見なかった現場から本物の英雄譚を暴く物語。