あらすじ
江戸の部屋持ち遊女・薄雲(23)は、武家の子息・眞之介と身分違いの恋に落ちるが、彼には縁談が決まり、薄雲は不治の病に冒されていた。最後の逢瀬の夜、手を重ねて眠る二人 ── 眞之介が目覚めると、薄雲は消え、枕元には簪だけが残された。二百年後、その簪に触れた古民家カフェの跡取り・和真(28)の前に、記憶を失った女性が現れた。和真は着物の柄から、彼女を「かすみ」と名づける。和真の幼馴染で密かに想う紬(23)と共に、彼女の正体を辿り始めた和真 ── だが調べを進めれば進める程、かすみへの想いは、単なる同情では説明できないものに変わっていく。二百年の時を超えて交わった二つの運命は、二人をどこへ導くのか。