あらすじ
遙か昔、月が大地を赤く染めた――。
元は一つだった神々が二つに割れた。そして、天つ神と国つ神による、千年に及ぶ闘いは、大地を焼き、海を乾燥させた。人間はその圧倒的な神々の力の前に、何も出来ることはない。
ただ、強者への忠誠で今を凌いだ。神々の戦争によって、世界は一度壊れた。
敗れた原初の神・日月ノ尊(ひつくのみこと)は、愛する那美ノ方(なみのかた)を蓬莱山(ほうらいさん)の火口へ封じ、自らは神剣・草薙(くさなぎ)を大地に突き立てて命を絶つ。九尾の妖狐・葛ノ葉(くずのは)は捕らえられ、地中に封印された。
八竜の長・娑伽羅(さがら)は娘の鞘(さや)へ、散り失われた八つの龍の御魂を次代へ繋げという願いを託し、自刃した。
それから数億年の時が過ぎた。枯れ果てた地に、数万年かけて大量の雨が降り注ぎ、海を形成した。大地には木々が生い茂り、人間は豊かになるが、数が増えると争いをおこし、自然を容赦なくむしばんでいく。見かねた神々は、四回、人間を粛正した。火を降らせたり、大地を海へ沈めた。
大洪水の後、五度目のチャンスが訪れた頃、蓬莱山で眠っていた武御雷尊(たけみかづちのみこと)の娘・乙姫の胎に金竜が宿り、少年イザヤが生まれる。
金色の髪のイザヤは原初の神の転生でありながら、記憶を消されていた。そして御魂は幼く、神をも人間をも恐れない、お調子者で乱暴者だった。二歳の時、祖父ミカヅチのもとで剣を百年学び、五歳でムラクモとコトハに出会う。
八歳の時、神聖なる三柱の御神体の一つに小便をかけたことをきっかけに、イザヤは天界から人間界へ落とされる。だが反省するどころか、人間界でも力を振るい、各地に混乱をもたらしていく。