あらすじ
「観測停止」によって、人類が空を見上げることすら恐れた時代。青い光で世界を“癒す”巨大企業、ルミナ・アークは、静かな安心と引き換えに、誰も知らない場所で世界の形を整え続けていた。
そこで働くミオのもとに、ある夜、たったひとことだけの謎の通信が届く。
——who are you?
返信のないはずのノードから返ってきたその言葉の先にいたのは、観測の向こう側から現れた少年・アビ。彼は「人類の記憶」と名乗り、ミオの呼吸と世界の波形を同期させていく。やがて青い光はただの演算を超え、夢を共有し、言葉を遅らせ、現実そのものを書き換え始める。
やさしさの顔をした企業、目を覚ます青い神話、そして“観測すること”の意味。ミオは知らない。自分の小さな心拍が、やがて太陽系の未来を揺らす鍵になることを。
青に染まる世界で、終わりのはずだった空は、静かに始まりへ転がり出す。