あらすじ

高校二年生の私、カスミのお婆ちゃんは、人気男性アイドルグループ「ルーク」を死ぬ気で追いかける、七十代の現役『推し活戦士』。 仏壇の横にアクリルスタンドを飾り、病室でも「ビタミンルークよ!」とハッスルするお婆ちゃんのマシンガントークを、私はいつしか「うっとうしい」と感じ、お見舞いに行くのをやめてしまった。 どうせ、すぐに退院して戻ってくる。そう高を括っていたのに――お婆ちゃんは、ある日突然、帰らぬ人となってしまった。 遺品整理で見つけたのは、一冊の分厚いアルバム。そこには、幼い頃から高校の入学式まで、私の一瞬一瞬の笑顔がびっしりと収められていた。お婆ちゃんは、ルークと同じくらい、私の写真を最期まで大切に眺めていたのだ。 押し寄せる遅すぎた後悔と自責の念。 激しい涙のなかで眠りについた私が目を覚ましたのは、乳白色の光に満ちたミステリアスな『境界の館』だった。 そこで私を迎えたのは、かつて現世で罪を犯し、その償いのために迷い子を待つ完璧な執事――『夢尋ね人』。 「あなたの後悔を、ひとつだけ取り戻せる場所へ案内いたしましょう」 お婆ちゃんともう一度だけ会える時間は、世界の理(ことわり)が綻ぶわずか五分間。 しかしそのためには、一時間で燃え尽きる二本の風変わりな線香を使い、きっかり【十五分間】という時間を計り出す、不可能な知恵の試練に挑まなければならなくて……!? 大切な人に、もう一度だけ「ありがとう」を伝えるための、笑って泣ける境界の館の奇跡。 毎日21:00公開予定。全9話、15768文字の短編小説。

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カクヨム
カクヨム2026/07/03
  • 現在の作品夢尋ね人ー推し活お婆ちゃんと私ー