あらすじ
「大丈夫、必ずこのアパートから出られるから」
日向(ひなた)が目を覚ました場所は、不思議な「アパート」だった。
管理人の夕月(ゆづき)は、住人の退去を見送っては、一人、手帳を眺め謝罪の言葉を繰り返す。
他のアパートの管理人が住人を放置する中、夕月だけは違った。
食事を与え、睡眠を促し、まるで現実と変わらぬ穏やかな時間を住人に強いる。
しかし、その優しさは、救いか、それとも……。
(まるで、自分の罪を償うかのようにね)
彼女が隠し持つ孤独と、アパートの裏側に隠された「罰」の意味。
理不尽なこの世界を壊して、彼女の苦しみを解放し、彼女を元の居場所をへ連れ戻す。
死の縁で出会った二人が、終わりのない世界を抜け出し、幸せを迎えるまでの物語。