あらすじ
十年前の春。
中学三年生の雅治は、転校してきた少女・さくらと出会った。
同じ帰り道。
放課後の公園。
雨の日の相合傘。
テスト終わりに撮った、たった一枚の写真。
短い時間の中で、ふたりは少しずつ惹かれ合っていく。
けれど、さくらの転校は突然決まった。
好きだと言えないまま迎えた別れの日。
彼女が桜の下で残したのは、ひとつの約束だった。
「十年後の四月四日、午後三時。この桜の下で会おう」
子どもの口約束だと笑うには、あまりにもまっすぐだった言葉。
そして十年後。
大人になった雅治は、忘れられない約束を胸に、同じ桜の下へ向かう。
初恋は、過去になるのか。
それとも、もう一度始まるのか。
桜吹雪の中で、止まっていた時間がそっとほどけていく、五話完結の再会恋愛短編。