あらすじ
アパートの隣に住むクラスメイトの美少女、恋瀬ほたるには不思議な力がある。
『サキュバス』の力。自分に向けられる他人の好意をエネルギーにできる特性。
その副作用のようなものとして、彼女は他人の好意が分かる。その想いが強い恋心だった場合は、心の声まで聴こえるようになるらしい。
そう、たとえば──
「見たいの? すけべ。でも素直になれたご褒美にちょっとだけ見せてあげよっかー?」
(……別に、大好きな君にならいいんだけどな)
こんな感じで。
「…………いや、なんで俺が聴こえてんの? 逆じゃない?」
彼女の特性には、一つの落とし穴があった。
他人の好意が分かり、恋心が聴こえる代償として──
──自身が恋している相手には、逆に自分の恋心が伝わってしまう、という罠が。
ほたるは、その特性の落とし穴をまだ自覚していない。
その上で彼女は自身の恋心を隠せているつもりで、こっちをからかって主導権を取ろうとしてくる。結果……
「もー、朝は弱いんだね。ねぼすけさんめ!」
(……じゃあ、うっかりちゅーしてもバレないかな?)
「わたしに見惚れちゃった? 素直に言ってもいいよ、ほらほらー」
(本当に見惚れてくれたら嬉しいな。……きみに見てほしくて、いっぱい頑張ったし)
態度や言葉は、からかい好きで主導権取りたがりで、実際に取れているつもり。
でも内心はすごく甘々で、しかもそれがこっちに全部筒抜けなことに本人は無自覚で。
そんな彼女に色んな意味で振り回され、普段の恋のアプローチだけじゃなくて、夢に向かって真っ直ぐな姿勢にも感化されて。
いつの間にか、こっちも魅了されてしまう。そんなお話。