あらすじ
◆あらすじ
東北の寒村、縦溝村(たてみぞむら)は村人の高齢化と人口激減により、限界集落と化している。
村を愛する若き村長、雪則は村を存続する方法を探して、日々悩んでいた。
あるとき雪則は、『村の忌まわしき習俗』をテーマにしたホラー映画が人気だと妹の香澄に知らされる。
そんなホラーにインスピレーションを得た雪則は、叫ぶ。
「ポジティブな村おこしはもう古い。これからは怖い町おこしだ!」
――縦溝村を『忌まわしい因習村』としてプロデュースしようと考えた雪則は、香澄を巻き込んだ計画を立ち上げる。
「にー(お兄ちゃん)が言うなら、いいよ……?」
ホラー好きな香澄は村で崇拝される不老不死の少女を演じることになった。
他にも、因習村を盛り上げる役者は無数に必要だ。
兄妹は、計画を手伝ってくれる協力者を募りはじめ、やがてただの寒村は多くの思惑に包まれはじめる。
村は、本物の因習村になってしまうだろうか……?
◆◆登場人物
◆小林 雪則<こばやし ゆきのり>(21)
「今夜から縦溝村は――『日本一の因習村』だ!」
限界集落である寒村『縦溝村』の若き村長。
高齢者がほとんどの村で、村長を引き受けてくれる者がいなかったため、村に関する全権を与えられている。
狭い村だが村のことを愛しており、しかし何の観光資源もない村を蘇らせるため、存在しない『因習』を捏造し、村を恐怖の『因習村』にしようと企む。
◆小林 香澄<こばやし かすみ>(15)
「にー、私……確かにハマってるね」
村のご神体であり生贄を求める不老不死の少女。通称『オカスミ様』。
村長である雪則の妹で、ただの人間。
因習村ホラーが好きなコミュ障で、学校に馴染めず引きこもっていたが、村おこしの一環として『オカスミ様』活動をはじめた。
本来は心優しい静かな女子だが、オカスミ様になりきりときは傍若無人となり、人を人とも思えぬ言動を繰り返す。
この役割を天職と信じ、兄に対しては重すぎる愛をぶつける作中最大のブレイン。
◆真島 源三<まじま げんぞう>(68)
「お前、あの祠を壊したのか……なんということを……!」
村に訪れた旅人をもてなしオカスミ様に捧げる、因習を絶対視する老人……の、役。
実際は村に移住してきた、元劇団員。
人のいい老人の顔と冷酷な村民の顔を演じるが、中身は勉強家で頑固な役者バカ。
最高の舞台を与えてくれた小林には感謝しているが、方向性の違いで揉めることも多い。
◆佐伯 ユリカ<さえき ゆりか>(22)
「今日は『ジビエの女王様』が獲れたんだよ~」
オカスミ様へ捧げられる哀れな生贄……の役。
一般旅行客を因習に巻き込まないよう、毎回一人旅行者のフリをして真島に捕まり、生贄にされる演技を行う。
元アイドルで人里から離れた場所で生きようと決めたところを小林に拾われ、ジビエハンターになっていた。
小林に想いを抱いているが気づかれてはいない。
◆伊澤 真央<いざわ まお>&伊央<いお>(12)
オカスミ様を奉る儀式を司る双子の少年。実はただの他人の空似で、たまたまSNSで出会った。
性格も陽キャと陰キャでまったく違うため、台詞もなかなか合わない。
だがお互いを想っており、仲はいい。香澄ともよく遊ぶ。