あらすじ
「黒道くんが心配で、バイト先破壊したくなっちゃうから」
浅野黒道には、完璧な彼女がいる。圧倒的な経済力と家事スキルで自分を養ってくれる聖母。だが彼女——一色一葉の愛は、完全に狂っていた。GPSによる監視、5分遅れただけで発生する冷徹な殺気。一葉は黒道を愛しているのではない。彼を閉じ込める「檻の強度」だけを見ているのだ。
そんな極限の束縛から逃れるように、黒道はバイト先のVR書店で起きた不審な事件の謎解きに没頭する。
仮想空間に落ちていた、四等分されたバナナの皮。
謎の男『リベンジャー』。
そして現実で相次ぐ、若手社長たちの凄惨な連続刺殺事件。
死体の口に詰められた『3』、芸術家の遺体に散乱する『2』。
政府の巨額な資金提供と、国家機密の影。
知的好奇心から事件に首を突っ込んだ黒道だったが、事態は警察の捜査本部さえも事件ごと「なかったこと」にする国家の闇へと繋がっていく。さらに、隠れて謎を追う黒道の背後には、不穏な動きを察知した一葉が、死体のように冷たい指先を伸ばしていた。
犯人の目的は復讐か。国家の陰謀か。それとも——。
一歩間違えれば、人間としての尊厳を失う自宅監禁。
命がけの探偵生活が今、始まる。