あらすじ

高校進学を機に、十年ぶりに埼玉の祖父家へ戻ってきた少年。 昔と変わった町並みの中で、彼にだけ昔のまま見え続ける、神社の裏山にひっそりと佇む名もなき別院。 そこで封印を解いてしまったのは、真っ白な小さな妖怪──「うろ」。 《腹、減った》 何を食べても「まずい」と吐き出し、自分の名前さえ曖昧でうろ覚えな、不思議な存在。 だが、祖父の遺した帳面には、こう記されていた。 ──もし封印を解いてしまったなら、決して腹を満たすな。 うろはいったい何を食べる妖怪なのか。 なぜ三百年もの間、封じられていたのか。 そして、飯能の町に今も残る、消された神社、読めなくなった石碑、誰にも見えない祠。 人が忘れたはずのものだけが、少年には見えていた。 これは、嘘が嫌いな少年と、正体さえ忘れてしまった妖怪が、町に残る小さな出来事を通して、人の心に触れていく物語。 最後に明かされる「うろのごはん」の正体が、物語のすべてを書き換える。

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カクヨム
カクヨム2026/07/03
  • 現在の作品妖は嘘を食べない