あらすじ

私は、貴方を失っても、歩いて行かねばなりません。 桜は、散っていました。春が来たばかりなのに、実ったと身に沁みて感じた時には、満開は終わっていたみたいです。雨に打たれて散る花びらが水溜まりに浮かんでいました。光が反射していたんです。 そう、欠けた月でした。白い雲が架かっていて、私はふと、万葉集の一句を思い出したんです。もう千年も前の詩なのに、見える空は、きっと変わっていないんです。そうして欠けた月は、確かに、少しずつ、その道を進んでいたのでした。月は、欠落と満杯を日々繰り返し、金継ぎのように継ぎ合わせ、輝いているのです。

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カクヨム2026/07/03
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