あらすじ
この世界の「勇者」として祭り上げられた幼馴染のレオン。
武闘家として彼を支えていたゼノスは、勇者の力に溺れたレオンの傲慢さにより、盾役として奴隷同然の扱いを受け、あろうことか婚約者のエリスまでもを奪われてしまう。
レオンは「勇者の加護」という絶対的な力を傘に、ゼノスを無能だと嘲笑い、エリスを魔力で洗脳し、己の所有物として弄び続けた。
耐え忍ぶ日々の中で、ゼノスはただ一つの真実を突き止めていた。それは、他者の能力を一点集中で破壊し、その残滓を己の力に変える禁忌の術「怨撃」の存在。
「勇者の加護は、その慢心によって脆くも崩れ去る」
ついに訪れたダンジョンの最深部。ゼノスは自身の拳にありったけの殺意と憎悪を込め、レオンの誇りと聖剣を同時に粉砕する。
かつての仲間を、そして最愛の婚約者を、己の手で尊厳ごと踏みにじる復讐の幕が上がった。
これは、神にも等しい勇者の権威をその拳で蹂躙し、歪な絆でエリスを支配し続ける、最悪で最高に幸せな「鉄拳伝説」の記録。