あらすじ

「一、愛さない。二、干渉しない。三、好きに暮らせ」 政略結婚三年目、顔も知らない夫からの通達は、たった三行。 ——上等です。 大公夫人エルナ(21)は夜な夜な離宮を抜け出し、 母の形見のレシピ帳を胸に、下町で小さな食堂を開いた。 閉店間際に現れた常連第一号は、幽霊みたいな顔色の黒ずくめ。 何を食べても砂の味しかしないはずのその人が、一口すすって呟いた。 「……味が、する」 その常連さん、あなたの旦那様(氷の大公)です。 でも、お互い気づいておりません。 家臣は次々常連化して胃痛。伯母は面白がって沈黙。 夫は「妻に何を書けばいい」と女将に相談し、 妻は自分への恋文を、自分で添削する。 顔を知らない夫婦が、食卓越しに餌付けし合う、 すれ違い溺愛グルメコメディ。 湯気の向こうで、白い結婚が今夜もおいしく溶けていく。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/07/03
  • 現在の作品白い結婚の奥様は、夜な夜な下町で食堂を開く ~お忍びの常連客が私の旦那様(氷の大公)だなんて、お互い気づいておりません~