あらすじ
【小惑星配送便】の三作目です。
借金まみれの底辺配送員・宇都宮 遥(うつのみや はるか)が受けた依頼は、報酬二十五万クレジットの超高難度ルーティン配送。届けるのは「六時間で毒物に変質する」極秘薬品、しかも厳密な温度・振動管理付き。三十日連続、一度の遅配も許されない。
体力も燃料も削りながら、相棒AI・ポチのサポートで何とか走り続ける遥だったが、じわじわと不自然な妨害が積み重なっていく。管制の迂回指示、入港ゲートの閉鎖、給油所の残高凍結、気象情報の改竄――ポチの解析では「人為的偏り、確定」。
その黒幕は、四ヶ月前の遥との接点で失脚しかけた社内エリート・満鷹 瑛児(みたか えいじ)。プライドと評価と将来のすべてを賭けて、男は遥を潰しにかかる。
嫌がらせの七段階をすべて乗り越えたその時、満鷹は決断した。
「消せば、済む」
迫る危機の影の中で、ダッシュボードの上のピンクの球体は――今日も静かに眠っている。
※「小惑星配送便」シリーズ第三話です。前話までの読了を推奨します。