あらすじ
「もしもあの夜、別の言葉を選んでいたら、私たちは今も一緒にいたのだろうか」
東京の片隅にある小さな古書店で働く葵(あおい・26歳)。
退屈で、どこか息苦しい日常を送る彼女の唯一の癒やしは、深夜二時から始まる無名のラジオ番組『真夜中の図書室』を聴くことだった。
温かくて、どこか懐かしい、パーソナリティの「青年・ハル」の声。
ある雨の夜、そのラジオから、葵にとって忘れられない“ある思い出の小説”の朗読が流れてくる。それは、大学時代に突然姿を消した元カレ・航平(こうへい)と、かつて二人で交わした「秘密の約束」そのものだった。
過去の誤解、言えなかった本音、そして東京という巨大な街で擦れ違う二人の孤独。
一本の電波がつなぐ、不器用な大人のための、切なくも愛おしい再生と純愛の物語。
「ねえ、気づいてる? 私が今も、君の声をずっと探していることに」