あらすじ
婚約破棄の瞬間、フィオナは奇妙な呪いを受けた。相手の本音が、言葉の裏側から聞こえてしまう呪いだった。
婚約者クラウスの謝罪の言葉の裏で響いていたのは、(面倒な女が、ようやく消えてくれる)という本音だった。愛されていたはずの三年間は、最初から茶番だったのだ。
――もういい。
フィオナの心は、驚くほど静かに凪いでいく。ざわめく会場の中、ただ一人だけ、本音と言葉が寸分違わず重なる男がいた。辺境を守る将軍、ヴォルフレイド。
「ようやく、迎えに来られた」
彼の声は、建前も打算も纏っていなかった。
呪いは罰なのか、祝福なのか。すべての嘘が丸裸になる世界で、たった一つの噓のない声が、フィオナの運命を変えてゆく。