あらすじ
この街では、女の子はみんな魔女として生まれてくる。
けれど、男は魔法を使えない。
それが、この世界の当たり前だった。
……たった一人をのぞいては。
五百年を生きる伝説の魔法使い、オジン。
空を飛ぶ魔法も、巨大な炎を生み出す魔法もお手のもの。けれどその一方で、毎日のように忘れ物をし、気づけば大騒ぎを起こしている、かなり困ったおじいちゃんでもある。
そんなオジンと暮らしているのが、孫娘のドロシー。
魔女なのに魔法は少し苦手で、ほうきに乗れば電柱にぶつかり、火の魔法を使えばまゆ毛を焦がしてしまう。
そんなドロシーが夢中になったのは、魔法ではなく科学だった。
魔法には才能がいる。
でも科学は、正しい手順で試せば、誰でも同じ答えにたどり着ける。
その面白さを伝えたくて、ドロシーは放課後になると『こども理科実験教室』を開いている。
集まるのは、元気いっぱいの子どもたち。
魔法が得意でしっかり者のマリー。
好奇心旺盛で、いつも真っ先に飛び出していくジョン。
少し気弱だけれど、誰より優しいトミー。
教室では毎回、空気や音、光、熱、超音波など、身近な科学を使った実験が行われる。
……けれど、そこにいるのはオジン先生だ。
余計な魔法をかけて熱気球を空の彼方まで吹き飛ばしたり、不思議な事件に首を突っ込んだり、気づけば町じゅうを巻き込んだ大騒動になってしまう。
焼き芋屋に響く不気味な音。
突然、火を吹き始めた魚屋のおかみさん。
次々に起こる奇妙な事件に、ドロシーたちは立ち向かっていく。
使うのは魔法だけじゃない。
実験で学んだ知識と、自分たちの知恵だ。
笑ったり、驚いたり、ときどき失敗したり。
にぎやかな毎日の中で、子どもたちは少しずつ「科学の考える力」を身につけていく。
これは、ちょっと困った最強のおじいちゃん魔法使いオジンとドロシーたちが巻き起こす、不思議で楽しいサイエンス・ファンタジー物語。