あらすじ

とある高校のとある写真部に所属する主人公は、ただ一人の部員として、誰もいない部室と形骸化した部活動を続けていた。技術はそれなりに向上し、どんな場面でも「悪くない写真」は撮れるようになっていたが、どうしても「これだ」と思える一枚には辿り着けない。 その原因は、かつての先輩が残した一言にあった。 ──「最高の一枚が撮れた」 卒業直前の先輩が口にしたその言葉は、写真そのものも、撮影の意図も、すべてが欠落したまま主人公の中に残り続けていた。見ていないはずの一枚が、なぜか確かな基準として居座り続ける。 桜が散り、雨が続き、季節が移ろう中で、主人公は何枚も写真を撮り続ける。しかしどれも「正しい」のに、「違う」。その違和感だけが積み重なっていく。 やがて新入生の加入によって、写真は「撮るもの」から「見られるもの」へと変質し始める。評価される写真、共有される写真、完成した写真。そのどれもが“悪くない”はずなのに、主人公の中に残る空白は埋まらない。

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カクヨム
カクヨム2026/07/02
  • 現在の作品残雪と氷華