あらすじ
「心を殺して、自分のままで生き抜け」
それは、偽りの楽園に抗う親子の、血と魂の記録。
二〇二六年。悪政に喘ぐ日本に誕生した「初の女性総理」。誰もが彼女を「救世主」と崇めたその日から、世界は音もなく崩壊へと向かい始めた。
強制されるワクチン、人工衛星からの感情ハッキング電波。そして、18歳以上の全国民に義務付けられた瞳のコンタクトレンズ「NCI」。視界に強制表示されるのは、人間の価値を数値化した「国民ランキング」と「ポイント」だった。
他人の目を恐れ、ポイントを稼ぐために密告し合い、偽りの笑顔を貼り付けてペコペコと頭を下げ合うロボットのような人々。思考すらも監視され、自由を奪われた極上の「優しく平和なおもてなし社会」で、ある日、ひとつの家族が政府の陰謀によっか引き裂かれた。