あらすじ
登録者七人。うち二人はbot、一人は妹。
灰谷トウヤは、戦闘に使えないゴミスキル持ちの、底辺探索者兼弱小配信者だ。下見をする金もなく、命より家賃が重いと笑いながら、初見ダンジョンへ潜っていく。
――そして、あっさり死ぬ。
だがトウヤには秘密がある。ダンジョン内で死ぬと、攻略開始直前に時間が巻き戻る。記憶だけを、残して。
全トラップの位置は、そのトラップで内臓をぶちまけた記憶。ボスの弱点は、五回顔を溶かされて覚えたもの。
視聴者から見えるのは、初見殺しを鼻歌でいなす異常な天才ムーブ。
配信は爆発的にバズり、投げ銭が家賃に変わる。掲示板は「灰トウ天才説」で沸き返る。
誰も知らない。その"読み"のすべてが、繰り返された死の記憶であることを。
画面の向こうで爆笑される無双配信と、画面のこちら側で静かに磨り減っていく、一人の男の物語。
――今日も、死なない程度に頑張りまーす。