あらすじ
私は、十五年前のことを思い出していた。
祖父の法事に参列するため母と兵庫に来ていた当時は小学三年生。遺産相続のゴタゴタが嫌で、普通電車の乗り換えを待つ間に、一人新快速に飛び乗って家出をした。
琵琶湖が見えるようになったころ、仙人みたいなおじいさんと出会う。おじいさんは、さまよう魂を玉にしてあの世に返す「魂流し(たまながし)」をする人だった。
電車の中では、その玉を奪おうと異形の者が次々と襲ってくる。二人で、比良の風や木刀の力で異形の者を追い払う。そして、おじいさんの持つ玉の中に、亡き父のものを見つけ、もらい受けた。
時が過ぎ、私の成長とともに玉の持つエネルギーが尽きてゆく。あの時と同じ電車に乗って、父の魂流しをする。