あらすじ
再開発が進む街の片隅に残された、古びた木造アパート『日向荘(ひなたそう)』。
このアパートで最近、若い男性入居者が孤独死した。
――実はこの建物では、二年半前、一年前にも入居者の死が発見され、すでに二部屋が事故物件となっていた。
二年半前:一〇二号室
ゴミ屋敷での病死――明石 隆晴(65)
一年前:二〇三号室
オーバードーズによる自殺――森谷 奈美(36)
そして今回:二〇一号室
病死――松崎 悠輝(26)
彼らは、どのように生き、どのように亡くなったのか。
遺体の痕跡が残る部屋を片付ける清掃員。
苦情と告知の狭間で揺れる不動産管理会社の男。
二〇二号室で、“いつもの生活”を続ける中年女性。
異なる立場と距離から浮かび上がるのは、
幽霊ではなく、「死のあと」に残される現実だった。
残された痕跡や断片から、”死”の背景が、少しずつ浮かび上がっていく。