あらすじ

これは、本当の正義など存在しない世界だ。 ここに生きる者たちは信じている——力とは、決して無償で手に入るものではない、と。強くなりたければ、代償を払わねばならない。奇跡を望むなら、世界はまずこう問いかける——お前は、本当にそれを引き受ける覚悟があるのか、と。これは罰ではない。ただの均衡にすぎない。 かつて、世界は七つ存在した。今では、二つしか残っていない。その間には、誰もその存在の年月を知らない一株の世界樹が横たわる。上には、聖界。下には、人界。 ここでの剣術は、技ではない。生き方そのものだ。ここでの魔法もまた、奇跡ではない。世界から借り受けた法則にすぎない。ここには、決して壊れることのない七つの刃が存在する。それらはどちらの側にも立たない。ただ静かに見つめているだけだ——誰が記憶されるにふさわしいか、誰の時代がすでに終わったのか、と。 そしてこの物語が語るのは、一つの戦争でもなければ、運命づけられた救世主の物語でもない。 これは、それぞれの時代を生きた人々が、自らが信じるものを、自らの手で次の者へと託していく物語だ。 ある者は、一生をかけて、一人の子の命と引き換えた。 ある者は、剣をもって、他者のために道を切り拓いた。 ある者は、より多くの者が生き延びられるように、すべての人の代わりに血を流すことを望んだ。 ある者は、人格すら持たぬ身でありながら、それでも最も強い者ではなく、認めるべき者を選び続けた。 この物語は、一人の少年とともに始まる。彼は運命によって選ばれた英雄ではない——この世界に、運命の子など存在したことはない。彼はただ、史上最強の魔法師にすぎない。だが、この世界において最も強い者ではない。彼は剣に敗れ、統治に敗れ、守護の意志に敗れた。 それでも彼は、一つのことを信じていた。この世界がいまだかつて、真に成し遂げたことのない、一つのことを。 ——すべてを犠牲にせずとも、世界を守る方法が、必ず存在するはずだ。 この物語は、彼がその言葉を、一生をかけて証明していく物語である。 歴史は、決して完全にはならない。だが、その剣を受け継ごうとする者が、まだ一人でもいる限り—— 世界は、本当の終わりを迎えることはない。

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小説を読もう2026/07/02
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