あらすじ
天才的な記憶力と観察眼を持つ医大生・福光大樹。
彼は目にした光景を写真のように記憶し、他人が見落とす些細な不整合を見抜いてしまう。さらに驚くほど真っ直ぐな性格だった。
だがその反面、空気を読むのが苦手で、思ったことをそのまま口にしては周囲を困惑させる、天然で子供っぽい青年であった。
そんな大樹が大学進学を機に出会ったのが、同期生の高見沢由衣。
誰もが振り返る美貌を持ち、人当たりも良く聡明、鋭い洞察力、驚くべき機転、何事もそつなくこなす才色兼備の女子だった。
だが、その一方、気に入った相手を茶化して反応を見るのが大好き。何かと首を突っ込む。あざとくて口が立つ。怒りっぽく頑固。しばしば嫌味や毒舌を吐く。その外見とは裏腹なところがあった。
大樹は、由衣の美貌、一点の曇りもない立ち居振る舞いに魅かれる。
由衣は、大樹を少女漫画から飛び出たような理想の美青年と勘違いする。
互いの第一印象は見事に的外れだった。
しかし、大樹の不器用さも、奇妙な言動も、由衣は次第に理解が深まる。そして、自身の能力に認識が薄い大機に、あれこれ手を差し向ける。
大樹も、頻繁に茶化されるが、誰よりも自分を理解してくれる由衣に心を開き、頼るようになる。
大樹は、「見える」ことで、人に誤解されて縮こまっていた。
由衣は、「理解する」ことで、大樹をからかいながらも支える。
正反対の二人は、やがて互いに欠かせない存在となっていった。
そして、なぜか二人の周囲では、次々と不可解な事件が起こる。
由衣の兄である警察庁のプロファイラーや仲間たちと共に、大樹の“見える力”と由衣の“理解する力”が真実を暴き出す。
これは、対照的な男女が紡ぐミステリーである。